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協会ニュース2026年8・9月号
令和8年熊本地震 災害支援ナースを延べ1,834人派遣
被災地に寄り添い、いのちと暮らしを支える
7月28日に発生した令和8年熊本地震では、熊本県で最大震度7を観測し、県内の広い地域で大きな被害を受けた。日本看護協会は、発災直後から熊本県看護協会(以下、県協会)、厚生労働省などと連絡を取り、28日夜には、秋山智弥会長を本部長とする危機管理対策本部を設置した。県協会は30日から、災害支援ナースの県内派遣を開始。熊本県から厚労省に災害支援ナースの派遣要請があったことを受け、本会は、8月3日から被害が大きかった地域の避難所を中心に県外派遣を行っている。
現地を訪問し、支援体制を整備
8月12・13日、秋山会長と松本珠実常任理事が熊本県を訪問。県協会、関係機関などと意見交換を行うとともに、災害支援ナースが派遣されている病院や避難所を訪問した。現地では、災害支援ナースの活動や避難者の生活環境を確認し、被災地が抱える課題や今後必要となる支援について関係者から話を聞いた。
設備が整えられている避難所がある一方で、発災から約2週間が経過しても生活環境が整わず、床に雑魚寝するなど厳しい環境が続いている避難所もあった。こうした環境は避難者の健康や安全にも影響することから、避難者の状態を踏まえた環境整備や支援の重要性を確認した。また、病院では建物の損壊や停電などの被害がある中でも診療が継続されていた。被災した看護職の中には出勤できない者がいるほか、避難所から通勤する者や車中泊をしながら勤務する者などもおり、疲労が蓄積している状況がうかがえた。
これらの現状を把握した上で、秋山会長は県協会の宮下恵里会長と今後の支援体制について協議し、中長期的な支援が必要であることを確認。被災地の看護ニーズを把握しながら、医療提供体制を維持できるよう、必要な支援を進めていくことを共有した。また、ナースセンターを通じた「くまもっと活躍(復興)ナース」などによる看護職の確保についても意見を交わした。
本会は今後も都道府県看護協会や関係機関と連携し、被災された皆さまに必要な支援が届くよう、被災地の復旧・復興に向けて全力で取り組んでいく。
災害支援ナース 派遣先一覧 ※延べ人数は、1日1人として計上
県内派遣
派遣先 病院・避難所 11カ所
(宇城市、氷川町、八代市、熊本市)
派遣期間 7月30日~8月31日 延べ人数 378人
県外派遣
派遣先 病院・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・避難所 33カ所
(宇城市、氷川町、八代市、嘉島町、御船町、熊本市、宇土市、甲佐町)
派遣期間 8月3~31日 延べ人数 1,456人
派遣元の都道府県看護協会
京都 大阪 兵庫 岡山 広島 山口 福岡
佐賀 長崎 大分 宮崎 鹿児島
8月31日時点
「くまもっと活躍(復興)ナース」募集を開始
熊本県ナースセンターでは、被災地の医療提供体制を支えるため「くまもっと活躍(復興)ナース」を募集しています。
詳細は熊本県ナースセンターHP(※)をご参照ください。
※ くまもっと活躍(復興)ナース(熊本県ナースセンターホームページ)
「地域医療構想策定ガイドライン」の公表
厚生労働省は7月に「地域医療構想策定ガイドライン」(以下、ガイドライン)を公表した。今後、都道府県はガイドラインに基づき、医療提供体制の現状や課題、2040年頃を見据えた医療需要などを踏まえ、必要な対策を検討していく。具体的には2028年度末までに、構想区域の設定や必要病床数の算出、急性期拠点機能等の医療機関機能の設定などを行い、都道府県地域医療構想を策定する。
2040年に向けて、全国的には85歳以上高齢者の増加、生産年齢人口の減少が見込まれているが、これらの変化は地域差が大きい。地域医療構想では地域類型ごとの特性を踏まえて「大都市型」「地方都市型」「人口の少ない地域」別に医療提供体制のあり方を検討する。
厚労省は、ガイドラインの公表に併せて「2040年の病床数の必要量の機械的試算」を示した。全国の試算では、高度急性期・急性期の病床数は、現在の66.0万床から4割減少し、37.4万床となる。一方、回復期は高齢者救急への対応が期待される包括期として再編され、21.1万床から41.6万床へ倍増すると見込まれている。ガイドラインでは、病床機能区分ごとに報告の目安となる診療報酬上の入院料を例示しているが、入院料の種類のみをもって機械的に病床機能が決定されるものではなく、また、地域医療構想における医療機関機能と病床機能は、必ずしも一対一で対応するものではないことが留意点として記載されている。ただし、一定の客観性を持った報告と協議が進むように、診療報酬上の入院料を参照することと示されているため、実質的には各医療機関の入院料と病床数が大きな意味を持つことになる。
今後、都道府県および構想区域単位で病床機能や病床数が議論されていくが、看護職員数は診療報酬上の人員配置基準の影響を強く受けるため、医療機関機能の再編・集約化や入院料、病床数の変化は、看護提供体制の構築に向けた人材の確保・育成にも波及する。
いのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護を、地域で暮らすあらゆる人々に届けるためには、看護職が専門性をさらに高めるとともに、その能力を十分に発揮できる環境が重要である。地域全体を「面」として捉えた看護機能の強化、そして看護職として、自らのありたい姿の実現に向けて、都道府県が目指す医療・看護提供体制の姿について、ぜひ関心を寄せていただきたい。
ガイドラインの詳細はこちら (厚生労働省ホームページ)

